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スティールウオッチ

少し前のhodinkeeの記事に昨今のノーチラスブームについてのスターン社長のコメントが掲載されました。

内容としては、5711が正規店では全然手に入らないと言うこと、その為未使用品も含めたセコンドマーケットでものすごいプレミアムがついていること。

他方、そういったマーケットの現状や正規店からのコンプレインにもかかわらずスターン社長はノーチラスも含めたスティールウオッチの生産量を増やす方針は全く無いこと等。。

スターン社長としては、元来カラトラバ等のドレスウオッチや高額な複雑時計等がパテックを代表する時計であって、その会社の方針を変えるつもりは無く、またスティールウオッチの生産量を増やすことで、販売単価が下がる事は他社の例を見ても、またブランドとしての長い目で見ても決して得策では無いと考えているようです。従って今のトレンドが続く限り、ノーチラスの高騰(乃至は高値安定)は継続していく可能性が高いと思います。

私がこの商売を始めたのが2006年で、その頃は現行のパテックはゴールド(乃至はプラチナ)系の複雑時計にセコンドマーケットでプレミアムがついていました。それがリーマンショックで崩れ、一時裕福な中国系が買い漁って値を持ち直したものの、ここ数年はゴールド系の時計はやや低調に推移し、昨今はノーチラスを含めたスティール系が圧倒的に人気が高い傾向にあるようです。

ビンテージ市場でのスティール系の人気は私がこの仕事始めた頃から既にじわじわ来ていたように思います。私自身もかなり早い段階で565や2508、570等のスティール時計をいくつか紹介させていただいたと思いますが、スティール時計がマーケットをリードしていくようになったのはイタリア人のコレクターがスティール本を発行し、2016年にスティールのref.1518がオークションで高額で取引され決定的になった感じがあります。

それではこれからマーケットがどうなっていくのかと言う事ですが。。。

現行時計のマーケットは、まだしばらくはノーチラスのブームは続くでしょうが、ファッションと同じで流行に左右される傾向にあるので、いずれちょっとクールダウンしてまた他の時計が見直されていく可能性はあると思います。

ビンテージは。。。

「基本的に状態が良くて希少性の高い物」

が求められるので、その点を考慮したらスティール系はこれからも堅調に推移していくのは間違いないと考えています。

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  2. 2024/03/27 Sotheby’s
  3. 2024/03/26 先日
  4. 2024/03/25 ref.2449
  5. 2024/03/24 オーバーホールで

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