時計のこと
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- date. 2019/08/21
先日、スティールウォッチと題してノーチラスの事や今後の見通しについて少し書いたのですが……
ビンテージウォッチを購入する場合、将来の値上がりを期待して購入するのは、決して悪い事ではないですし、もちろん値下がりするよりは値上がりする方が良い事は当たり前の事ですよね。
私がビンテージのパテックに興味を持ち出したのは1986年ごろ。今から30年以上も昔の事です。
その頃はレクタンやオールドのクッションタイプなんかはかなり高額な時計でした。ちなみにその頃スティールの570とか2508、565なんてほとんど市場価値の無いような時計だったんですよね。
それが今は全く逆転しているわけでして……。
つまり何が言いたいかというと、例えば20年後にビンテージパテックの市場がどうなっているのかを予想するのは非常に困難である、という事なんです。
従って、時計を購入する場合は値上がりするかどうかよりも、自分が好きかどうかという事を重視した方が良いと思うんです。
もちろん、なんて言うのかな、高額品を購入する際に正当化する理由の一つとして「値上がりが期待出来るから(資産価値があるから)」という発想はもちろん理解出来ます。
先日書きましたように
「状態が良くて希少性の高い物」が値上がりするのは当たり前の事ですよね。
でもそれを手に入れるのは現実的にはなかなか難しいわけでして……
というのも世界中のコレクターがそのような時計を探しているわけですから、それを手に入れるのはなかなかどうして大変な事だと思います。
だから、購入する場合は自分の感覚を信じて、たとえ今人気が無くても自分が好きならいいと思うんですよね。
ちなみに私はこの仕事を始めて13年強ですが、基本的に自分が好きな時計を仕入れるというスタンスを変えていません。
また、好みも少しづつ変わって来たりしてます。数年前なら絶対買わなかっただろう時計が今は良く見えたりして……
ある時計を仕入れるに際して、何個位市場に出回っているのか、その個体の過去の販売履歴はどうか、オリジナル性はどうか等々調べるのが楽しくて仕方ありません。
そのおかげでこの仕事を始めたばかりの頃と較べると膨大な知識やデータが蓄積されていると思います。
とは言っても、今だに見たこともないような時計に出会う事も毎年数回は有ります。
その時の喜びとと言うよりは驚きという方が正しいかな。。
その驚きはなんとも言いようのない快感なんですよね。
「何これっ」みたいな感じです。
まぁ、それがこの仕事をしているいくつかある楽しみの一つであることは間違いありません。