妙本寺の海棠
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- date. 2017/04/10
鎌倉に戻ってからずーっと見たいと思っていた妙本寺の海棠の花をやっと見ることが出来ました🌸
ソメイヨシノの散りかけがちょうど海棠が満開になると聞いていたので、まさにバッチリのタイミングでした。
やっと念願が叶いました🙂
妙本寺の海棠は小林秀雄が「中原中也の思い出」の中でこう書いています。
晩春の暮方、二人(小林と中原)は石に腰掛け、海棠の散るのを黙って見ていた。花びらは死んだ様な空気の中を、まっ直ぐに間断なく、落ちていた。 樹蔭の地面は薄桃色にべっとりと染まっていた。あれは散るのじゃない、散らしているのだ、一ひら一ひらと散らすのに、屹度順序も速度も決めているに違いない、何という注意と努力、私はそんな事を何故だかしきりにかんがえていた。……
今の海棠は小林秀雄と中原中也が見た海棠では無いらしいですが、それでもこの境内で、二人が海棠を眺めながら和解をしていたと思うと、少しだけ心が穏やかになるわけです。
普段はほとんど人の居ない妙本寺ですが、この時期はこの海棠を一目見るためでしょうか、かなりの人が訪れるようです。
また来年も見にこよう。
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