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針のこと パート4

今年は梅雨が長いような気がします。

25年前くらいかな梅雨がそのまま明けずに冷夏になって米が大不作、緊急輸入をする事になったことを思い出します。当時私は商社の食糧本部に在籍していて、まさにその騒動の真っ只中にいました。

まさか日本が米を輸入する事になるなんてと信じられない思いを抱きながら業務に追われていたことを思い出します。

さて、針のこと、ですが、本当は長短針の夜光をやりたかったのですが、バリエーションが多くて画像が整理できていないので、取り急ぎ、秒針(スモセコ)をやります。

秒針はビンテージを扱う場合に最も社外品に変わっていることが多いパーツの1つで、一番悩ましいパーツと言っても過言ではありません。

また、長短針との組み合わせも基本的なルールがあって、そのルールから外れていると、オリジナルではない可能性が高く、秒針1つのために販売まで時間を要したり、購入を断念したりするケースも多々あります。

さて、基本形の例を以下の画像で説明します。

左上から時計回りで30年代中期から後期につくブルースティールのフラットなタイプ。

この秒針は、長短針がブルースティールだけでなく白のスティール、そしてゴールド(白も黄色も)素材との組み合わせもあり、また形状はリーフでもドルフィンでも付きます。

右上はブルースティールのリーフ、こちらもスティール、ゴールド素材の長短針とも組み合わさり、リーフ、ドルフィンいずれにも付きますがバトン形状の長短針には着きません。

左下は(秒針ではありませんが、形が一緒なので)、リーフの秒針で、主に40年代以降のゴールドのリーフやドルフィンに付きます。

そして右下は3417のリーフでこれのみバトンの長短針にリーフの秒針が付きます。ちなみにこのバトンの長短針にリーフの秒針が付く例はref.592でもあるようです。

次回は秒針の続きをやります。

3445ホワイト

3445のホワイト……

念のためですが、先日販売した3445とは別物です。

が、同じようにとても状態が良いです。

こちらは1972年の製造で販売は1986年。

売れずにずっと残っていたのでしょうか……。

近々サイトに載せる予定です🙂

針のこと パート3

今日は針のトークの続き、いわゆるバトン針のバリエーションを見てみます。

下の針もバトンと言って良いのかどうか、100%自信有りませんが……

上は3417のそれですが、直線で先端のみ尖ってます。

一方下は2457ですが、このタイプは後年の96や2466等他のリファレンスでも見られるタイプ。付け根のみ細く、途中から上のバトンよりも太めで先端は直線、横から見ると少し山形になります。

ref.1544

ref.1544のスティール

このリファレンスは今まで市場に4本しか出てきていません。

そしてその全てにバックに数字がエングレーブされています。

例えばこの個体は

47です。

この数字は一体なんでしょうか⁇

実はこの数字はパテックの持ち主が自分の時計を修理乃至はオーバーホールに持ち込んだ時に代替品として貸出しされた時計に打ち込まれたナンバーなんです。

つまり車で言う代車みたいなもんです。

何故か1544は、少なくとも市場に出回った4個に全てこのエングレーブが入ってます(他の3本は21,33 そして41です)。つまり、全てがいわゆる代時計として利用されています。

推測ですが、1544は元々販売用として開発されたリファレンスだけど、結果的になんらかの理由で販売されず、全てが代時計として利用された、のかもしれません。

では何故その代時計がこうやって市場に出回ったのか……

その理由は不明ですが、もしかしたら貸与ではなくて、VIP用に提供もしくは安価で販売されたのかもしれません。

アーカイブスは現在オーダー中ですが、パテックのアーカイブスセクションの担当からは同時期にオーダーした他の時計の物は発行するけど、この個体についてはもう少し時間を要するとの返答がありました。

つまり、パテックとしても販売されたのかどうか、もしくは販売日が確定しにくい等、アーカイブス発行に際してなんらかの理由があるんだと思います。

針のこと パート2

本日も寒い雨の1日となりました。

天気予報を見るとしばらく天気が悪そうですね😕

さて、今日は針についてのパート2、リーフハンドの年代別の違いを見てみます。

上は30年代のリーフですが、特に短針が先端にかけてかなり細くしぼられてシャープな感じがあるのに対し、下の50年代のリーフはしぼりが緩めになってなんとなくでっぷりした感じになります。

この、年代による形状の違いは、強度面を意識した設計になっているのかもしれません。

今日のところはこの辺りで……

皆様、お風邪など召されませぬようご自愛ください。

針のこと パート1

今日はまた昨日と打って変わって梅雨寒の一日となりました。

私は予報では25度となっていたので半袖で出掛けたら思ったよりも気温が低くて少し閉口しました😖

この時期は念のため羽織るものを常に持っていた方が良いかもしれません😕

さて、今度ビンテージパテックの針の事についてコラムを書いてみようかと思ってます。

ビンテージの中では、ビジュアル的に一番オリジナルから変わってしまうものが多いのが針でして、またインデックスと針の組み合わせというものも概ね決まり事がありますので、その辺りを説明出来ればと思ってます。

まずは今日は長短針の基本形から

上からドルフィン、リーフ、そしてバトンです。

次回は基本形の派生バージョンを説明して行きます。

毎日連続ではいきませんので気長にお待ちください。

2508

オーバーホールしておりました2508イエローのブレゲが戻りました。

バックは1961年のカタログ。

2508のブレゲインデックスの個体は極めて希少で、色々調べたところこの個体を含めて2個だけ確認されてます。

2508が40年代から作られていたなら、ブレゲの物ももう少し作られたと思いますが、主に作られたのは50〜60年代ですからね、どちらかというとシンプルなデザインのダイヤルがトレンドとなっていく中でブレゲ数字は少し古臭いというか野暮ったいというか、とにかくその時代のトレンドではなくなっていたのだと推測しています。

この時計はホールドです。

2526ローズ、エクボ

2526のローズ、エクボダイヤルにブレスレットです。

ブレスレットのサイズは平置きで185〜200ミリ。

比較的長めです。

状態はとても良好です🙂

5066A

5066Aの付属品完品が入荷しました。

いわゆるミディアムサイズのアクアノートで、スケルトンバックです🙂

これからのシーズンに最適のスポーツモデルです。

続々 コメット

7月のアンティコルムのモナコで先日紹介したコメットシリーズのひとつref.1550が出品されます。

しかもブレス付き。

状態はボチボチなのかな。

エスティメートは€22,000~28,000と結構高め。

この時計は3本の存在が確認されているみたいで、うち1本はミュージアムにあり、1本は先日もお伝えしたようにゲーリングの所有物で、そしてこの時計が3本目という事になります。

つい先日のボナムスの香港オークションでもref.1540のピンク(状態は良くなかったです)が出品されててエスティメート(HK$15,000~25,000)を大幅に上回るHK$138,125で落札されたりして……

なんか、私がインスタで取り上げてから、急に脚光を浴びてきたような😅

まぁ、単なる偶然だと思いますが。。

このアンティコルムの1550、ダイヤルはクリーニングされてるけど悪くはなさそうな感じ、ケースも少し磨かれてるかな。

あまり高くならなかったら欲しい感じもするのですが……。

Entries

  1. 2024/05/18 ref.1491 Black
  2. 2024/05/17 5本ほど
  3. 2024/05/16 アーカイブスの変遷について
  4. 2024/05/15 こんな
  5. 2024/05/14 昨日今日と

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