EN JP
BLOG

先日

先日神田のPPJさんにいつものように時計を持参してバネ棒をいただきに伺いました。

サービスセンターの待合には初老の男性が座って待っておられました。私も着席して担当の方に時計を渡してバネ棒の装着を待っておりました。

するとその初老の男性の担当の方が戻ってきて、時計の修理の見積もりの話をし始めました。どんな時計の相談かなと思ってちらちら横目で見ていると、ジュネーブに送らなくてはならないとか、文字盤の修復が等々話しているのが聞こえてきます。まぁ多分モダンピースの事だろうなと思っていましたが、初老の男性が担当の方に「ちなみにこの時計の年代はいつ頃でしょうか?」と質問しました。担当の方は「ムーブメントナンバーから推測すると1965年から1967年頃になると思います」と返答しました。それを聞いて私は「おっ、ビンテージじゃん」と思ってちょっと耳をそばだてました。すると男性が「(年代が)そうだろうと思いました。それでこの時計のモデル名はなんでしょうか?」と聞きました。すると担当の方が「時計にはモデル名は無くて、ナンバーで管理しております。この時計は34なんとかGという時計になります」と聞こえてきます。

「ぬぬ、34なんだ?3429かな」とか思って更に耳をそばだてていると3428と言っているのが聞こえました。「ちょちょちょ、まじかよ!3428ホワイトって超レアじゃん」と思って、少し腰をあげて隣の席をのぞき込みましたが少し距離があるのでよく見えません。

それからその男性と担当の方はしばらくオーバーホールをどうするか、ジュネーブに依頼してキャンセルした場合のペナルティの事を話していましたが、その間私はずっと気が気ではありませんでした。なにしろ3428ですから、陶製文字盤を修復してしまったら価値が大幅に下がってしまいます。そうこうしているうちに男性は時計をオーバーホールする事を決めたようで帰りの支度をし始めました。

担当の方が男性の見送りに席を立ったので、私はこれ幸いと立ち上がって隣の席に時計を見に行きました。すると確かに時計は3428のホワイトでした。ダイヤルは陶製文字盤でしたがインデックスがいくつか剥がれ落ちてダイヤル上に散らばっている状態でした。3428は貼り付けのインデックスなので、うまく修復すれば何とかなるかもしれません。

担当の方が男性の見送りから戻ってきたので少し話をしましたが、後から思えば男性を追いかけていって、もし時計が戻ってきて手放すときはご連絡くださいと名刺でも渡せば良かったなと少し後悔。。。

3428のホワイトは市場では5~6本程度しか確認されていませんが、私は過去に1本だけ扱ったことがあります(サイトのアーカイブスには載っておりません)。ちなみにその時計はアメリカ人に販売したのですが、その彼はすぐにオークションに出品してしまいました。その時計はこちらになります。

話が長くなりましたが、本日とても状態の良い2555ローズをアップしております!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Comment

  1. E.K. | 2024/01/17

    ref.3428、素晴らしいですね。ずいぶん前に中野のとあるお店で見ましたが…(WGだったと思います。PTはあるのでしょうか)。眼福でした。cal.27-460ですからref.2526よりずいぶん薄く軽やかに見えました。

  2. onbehalf | 2024/01/18

    E.K.さま、
    コメントありがとうございます。
    3428はプラチナもございます。弊社も1本だけ販売したことがあります。
    以下のリンクをご覧くださいませ。
    https://onbehalf.jp/item/20609/

Comment投稿

お名前 必須
メールアドレス 必須
URL
コメント 必須

Entries

  1. 2024/10/03 円山応挙と伊藤若冲
  2. 2024/10/02 ルクルト製
  3. 2024/10/01 ref.3260 ホワイト
  4. 2024/09/30 パナマの仕立屋
  5. 2024/09/29 先日

Category

Archives