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初代オートマチックムーブメント、12-600ATについて (その2)

さて、少し時間が空きました、12-600ATについてのコラム2回目です。今回は、12-600ATを搭載しているリファレンスについて説明してみたいと思います。

まず、最初にref.2526ですが、これは言うまでも無くPatek Philippeのアンティークの中では最も人気のあるモデルと言っても過言ではありません。事実、そのケースデザインの完成度とダイヤルの美しさは他のモデルには無い大変優れたモデルといえるでしょう。ref.2526にはイエロー、ピンク、ホワイト、そしてプラチナの4タイプのケースがあり、それぞれの製造個数等については、前回説明させていただきました。一方、ダイヤルはイエロー、ピンクは通常、陶製のダイヤルが使用されますが、シルバー文字盤にダイヤモンドのインデックスの物も稀に見られます。

ホワイトとプラチナは元々製造個数も少なく非常に稀少ですが、ダイヤルは基本的にはダイヤモンドインデックスが多いようです。こちらは、陶製のダイヤルはむしろ稀で、市場に出るとダイヤモンドの物より高値で取引されております。続いて、稀少バージョンのダイヤルとしては、それぞれのケースにブラック文字盤の個体も少数ですがございます。また、恐らく特注でしょうが、フリーメイソン文字盤や、ブラックダイヤルにアラビック数字のモデル(1個のみ)、そして蛍光仕様のモデルも時には見られます。また、Patekの本にも紹介されたブレケ数字の物も数個あるようです。

ref.2526のケースは、初期は3ピース構造だったようですが、防水効果などの理由からかすぐに2ピースに変更されたようです。個数としては、圧倒的に2ピースが多いようです。また、ラグの太さや長さも個体によって多少の差があるようで、製造年ごとに違いを明確にする事は難しいようです。

ベルトについては現在市場に出回っているものは、圧倒的に皮ベルトが多いのですが、ケースと同じ金属のベルトつきの個体も製造されており、その形状によって9タイプに分かれているようです。それぞれ2526の後にA〜Kのアルファベットで区別しております(写真左)。ベルトのメーカーはGFの刻印のあるGay FreresとPonti Gennarの2社が製造していたようです。

続いて、ref.2540ですが、12-600ATでは唯一の角型モデルです。製造個数としては、ref.2526よりも少ないのですが、市場では余り人気が無いようです。ref.2540は12-600ATを搭載する以前に、27SCを搭載したセンターセコンドのモデルも製造されておりますが、どちらかと言うと12-600ATのモデルの方が製造個数は多いようです。ケース素材はイエローが圧倒的に多く、ピンクも少数ですが製造されています。ホワイト・プラチナについては、今の所見たことがございません。

次に丸型のref.2551ですが、ref.2551のダイヤルは当初はくさび型インデックスとドルフィン型針で製造されていましたが、後半は細身のバーインデックスとバトン型針が主流になっているようです。一方、ダイヤモンドのインデックスも一部製造されており、特にプラチナケースのモデルはダイヤモンドダイヤルが多いようです。他にもホワイトゴールドのケースも製造されています。ホワイトとプラチナのケースはいずれも製造個数が非常に少なく、市場に出るとかなりの高額で取引されています。

続いて同じく丸型のref.2552ですが、同じ形状のモデルで(紛らわしいのですが)ref.2525がありますが、これは10-200の手巻きムーブメントを搭載しております。ダイヤルはバーインデックスにドルフィン型針が主流ですが、くさび型のインデックスや、あるプラチナモデルで非常に珍しいアラビック数字の物もあります(写真右)。このアラビック数字モデルは恐らく、特注品であろうと想像されます。このモデルは、3年前にアンティコルム社のオークションで10万スイスフラン弱で落札されています。ケース素材は圧倒的にイエローが多く、ピンクが続いて、ホワイトやプラチナは極めて稀少です。

また、先日e-bayを見ていたのですが、何とref.2552のプラチナケースが出品されていました。コンデョションはあまり良くは無さそうでしたが、出品者はオーナーの代理だったようで、市場価値を把握せずにno reserveで出品していました。非常にレアなモデルという事もあり、入札者も質問者も多数いたようですが、最終的には、落札前に出品者が出品を取り下げていました。恐らく、どこかの秋のオークションに出品されてくるだろうと睨んでいます。

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