COLUMN

05.

初代オートマチックムーブメント、12-600ATについて (その3)

12-600ATのコラム3回目です。 
続いてref.2583、ref.2584そしてref.2585ですが、いずれも製造個数は少なく、その為市場には出てくる頻度が少ないため、どのモデルもref.2526ほど知られていません。私は、個人的にはref.2583とref.2585は好みなのですが、なかなか手に入れる機会に恵まれません。

まず、ref.2583(写真左上)は、36mmの大き目の丸型ケースにどちらかと言うと小さ目のラグ。ダイヤルはシンプルなバーインデックスにバトン型の針であまり特長はありませんが、シルバー文字盤の物とケースと同じイエローシャンパン文字盤の物があるようです。但し、製造個数はかなり少なく、市場でもせいぜい5本程度しか出回っていません。

ref.2584は、この3モデルの中では比較的多い方です。やはり36mmという大きな丸型ケースに細くて長めの直線のラグのデザインです。残念ながら、ケースの大きさとラグの「きゃしゃ」さのバランスが不釣合いな感じで、12-600AT搭載のモデルの中では、一番人気が無いモデルかもしれません。ケースはイエローとピンクがあるようです。

続いて、ref.2585ですが、恐らく12-600AT搭載モデルの中では最も稀少なモデルでしょう。事実、今の所市場に出て来たのは、わずか1個で、それも12-600AT搭載のモデルの中では唯一のステンレスのモデルでした(写真左下)。前回のコラムでも書きましたように、3年前のクリスティーズのオークションで10万スイスフランを超える高値で落札されました。今後、果たしてこの時計以外の個体が市場に出てくるのかどうか非常に興味深いところです。デザイン的にはシンプルなケースデザインに、ダイヤルもバーインデックスにドルフィン型の針。そして、この個体はミニッツインデックスも無く、極めてシンプルな、しかしとても美しくバランスが取れていて、ステンレスの強固さも兼ね備えた、非常に価値の高いモデルと言えるでしょう。

続いて、12-600AT搭載のモデルとしては後期のref.3403とref.3415ですが、ref.3403は12-600ATでは唯一のカラトラバモデルで、カラトラバの伝統的なバランスのケースデザインを踏襲しており、実用的で非常にバランスの取れたモデルで大変人気が高いようです。製造個数も少なく、まだイエローのケースしか見ておりません。ダイヤルデザインは、シンプルなバーインデックスにドルフィン型の針でカラトラバモデルの特長を兼ね備えております。

ref.3415は、恐らく一般の市場に出回った最後の12-600ATモデルで、製造個数も極めて少なく、すぐに27-460AT搭載のref.3429という後継モデルに取って代わりました。製造年数は1959年と1960年の2年のみと言われており、個数としては100個にも満たないかもしれません。ケースはイエローが主流ですが、ピンクも見られます。また、ホワイトも2年前のクリスティーズのオークションで出品され、10万スイスフランをわずかに切れる高額で落札されました。ダイヤルデザインは非常にシンプルなバーインデックスにバトン型の針、またミニッツインデックスの無い物が主なようです。

以上、12-600AT搭載のモデルをリファレンスごとに紹介させていただきました。またref.3241とref.3441はダイヤモンドピカピカの中東市場向けのモデルで、個人的にあまり興味が無いので省かせていただきました。

最後に全てのリファレンスの特長として、PPリューズがございます。これは、12-600ATと初期の27-460ATモデルにのみ使用された独特なqpの形状のクラウン(写真右)で、いわゆるPPリューズとしてマニアの間では非常に人気が高いです。しかしながら、通常オーバーホールに出してしまうと、消耗品として交換されてしまう事が多く、PPリューズでない12-600ATも良く見られます。従って、皆様もオーバーホールに出される時は、クラウンは交換不可をリクエストされた方が良いかと思います。

12-600ATではref.2526圧倒的に人気が高く、それ以外のモデルは製造個数も少ないため、まだまだ日本では人気は低いようですが、国際市場ではどんどん人気が高まってきており、相場も高騰傾向にございます。ref.2526はもちろんですが、それ以外のモデルも(とりあえず)生活防水機能もあり、実用的で非常に優れた時計ですので、是非とも入手されることをお奨めします。

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